今回はこちらの本の感想です。
「プーチン流現実主義が日本を救う」
「えっつ!?」という題名がこのご時世めちゃインパクトありますよね。
ロシアに長く住み、ロシア人女性と結婚し、国際情勢を長く研究されている
北野幸伯さんの作品です。
10年近く前の出版ですが今のウクライナ情勢、日中関係、日米関係、世界情勢を考えると非常に面白く、興味深い内容が多いです。
最近はウクライナ情勢のニュースの際に、稀にコメンテーターとして出演されることもあり、個人的にはどの専門家よりも好きなので話を沢山聞きたいのですがどういう事情なのかあまり出演されないので残念です。
最近のウクライナ情勢や世界情勢を見ていると時代はこうやって作られるものなんだなというシンプルな客観的な感覚です。
人類史は何千年、何万年とあって、争い、仲良くなり、また争いの繰り返し。
どれくらい先になるかわからないけど、世界の目が宇宙に向くようになったら地球の中の争いはほとんどなくなるんだろうなと感じます。
日本も江戸時代になるまでは色々なところで土地や文化を守るために争ってきましたが今はサッカー日本代表を全日本国民で応援するような一体感があります。
ちょっとSFチックですがもし、宇宙人がいるとして、地球へ侵略してきたら地球人として一体感が凄く増すのだろうなと思います。
話がそれましたがこの本はこういった人間模様、国際模様を一つ一つの出来事や事件を深く掘って面白い視点や説得力を持って一気に読み進めることができます。
この出版された時期から米中対立の流れは言われていて、ロシアが中国と手を組むことでどうなるとか2極化でどちらにつくかのような話が世間一般では多く出ます。
しかし、この本を読んで感じて思うのは、どうやって味方を増やすのか、世界の流れに乗るのか、流れを作るのかを知れるのと同時に、今の世界の流れと今後の流れについて腑に落ちる点が多いということです。
2極化と言いますが、もう、二つとか三つではなくそれぞれの国が自分達の特性や主張を守りつつ世界全体から見ると一つになる。そんな状態が理想なんだと強く感じます。武力では長期的に何も解決しない。早く老害はいなくなって新しい時代を現役世代が作らないといけないなと感じますね。
それが実現すれば、核兵器は要らず、自分の国が攻撃されることに備えるとかではなくもっと意義があって面白いことに全人類が集中できる。
平和ボケと言われる場合もあるかもしれないけど、日本は過去の経験から世界でも先んじてその未来を見やすいのではないかと思います。
高齢化社会が問題という温度感で話される場合もあるけど、今、若い世代が多い国だっていつかは高齢化社会になるわけで、よくする部分は早く良くする。
まあ、誰が何をいっても一人じゃ世界や時代は変えれらないけど自然とそういうふうになっていくんだろうなと感じますね。
この内容に共感できる方には是非読んで感想聞かせて欲しいです。
まえがき
日中戦争は、もうはじまっている
第1章「反日統一共同戦線戦略」が生まれた背景
沈むアメリカ、昇る中国
変わる日米中間系
「米中二極時代」の到来
一人勝ちで増長する中国
「尖閣中国漁船衝突事件」の衝撃
反体制派の「ノーベル平和賞」受賞で、暴走する中国
オバマの「アジア基軸戦略」
尖閣国有化で、日中関係は戦後最悪に
「反日統一共同戦線戦略」の衝撃
オバマに冷遇される安倍総理、優遇される習近平
シリア戦争ドタキャンで、失墜するオバマの権威
シリア戦争ドタキャンで、変わるパワーバランス
中国の罠にはまった安倍総理
第2章「反日統一共同戦線戦略」を無力化させた安倍総理
ロシアの「クリミア併合」で救われた安倍総理
アメリカか?ロシアか?中国の決断
ロシア取り込みで、中国は最強になれる
アメリカ、イスラム国(IS)への空爆を開始
歴史的だった「AIIB」事件
「AIIB事件」の本質
日本、アメリカの「完全没落」を食い止める
歴史的だった「希望の同盟」演説
目覚めるオバマ
オバマの目覚めで、変わるパワーバランス
習近平、屈辱の訪米
慰安婦問題日韓合意
劇的に改善された日露間系
「反日統一共同戦線戦略」の無力化に成功
第3章 日本人の知らない米中関係の真実
「犬猿の仲」だったアメリカと中国
毛沢東、中ソ対立でアメリカとの和解を思いつく
毛沢東、決断の裏側
ニクソンが中国との和解を決意した理由
米中「同盟」の真実
毛沢東、キッシンジャーに「日本との和解」を命じる
すべてを得ることに成功した鄧小平
世界銀行、中国に経済成長の秘訣を伝授する
二つの大事件で、米中関係は危機に
クリントン・クーデターの衝撃
イラク戦争で没落にむかうアメリカ
ソロスは、イラク戦争で、戦後の国際秩序を葬り去った
ルトワック、中国の「平和的台頭」戦略を絶賛
米中同盟を維持しながら、中国同盟をつくる巧妙さ
ソロス、アメリカ=悪、 中国=善
そして「アメリカ一極時代」は終わった
親ロシア、反中国として登場したトランプ政権
トランプ・クーデター
中国は、どうやって「トランプ・クーデター」を起こしたのか?
米中関係の真実からわかること
第4章 中国に勝つ方法
必要な、「善悪論」から「勝敗論」への転換
なぜ日米関係は悪化したのか?
なぜ日英関係は悪化したのか?
日本はなぜ、世界を敵にまわしたのか?
中国、戦略の特徴
中国の戦略に打ち勝つ方法
トランプ・アメリカと、どうつきあうべきか?
米軍追放、自主防衛論はどうか?
核武装で日本は世界の孤児になる
「ニュークリア・シェアリング」なら世界的孤立は避けられるが
日米安保は、日本最大の「資産」である
日本がロシアと和解すべき理由
それでも、韓国と和解した方がいい理由
必要な、尖閣を一国でも守る覚悟
なぜ日本は、中国を挑発してはいけないのか?
日本の大戦略
落ち目のイギリスが、勃興するドイツに勝てた理由
必要な「戦略的忍耐」
第5章 中国の近未来
「国家ライフサイクル」とは?
中国の国家ライフサイクル
2013年、中国から日本企業が逃げはじめた
中国、2015年の経済成長率は、マイナス3%?
国際金融資本が、中国を見捨てた
ソロス、中国のハードランディングは不可避!
さらに、中国から逃げ出す日本企業
中国はこれからどうなる?
中国が暴発する危険性
あとがき