今回感想を書くのはこちら。著者 藤田浩之さんの
「道なき道を行け」です。
この本を知るまで全く知らない方でしたが経歴や経験や考え方が面白くて本はあっという間に読んでしまいました。
写真にある帯にも稲盛和夫の推薦コメントがあってさらにそそられまくりました。
この方はアメリカでGEという有名な企業で働いた後独立。
医療機器開発製造会社クオリティー・エレクトロダイナミクス(Quality Electrodynamics (QED))を創業。
CEOとして経営をしながら日系企業や世界中の企業と協力しながら医療業界の貢献しています。
話題となっているのは2012年のオバマ大統領が開催する一般教書演説に日本人として初めて招待されています。
どのくらい凄いことなのかはなかなか分かりづらいのですがアメリカ合衆国大統領が議会で年初に現状と今後の展望や希望について話す重要な演説でアメリカに籍を置くとはいえ日本人社長が呼ばれるというのはかなり異例だったようです。
別の著書ではコロナウィルスによるパンデミックの際のアメリカや欧米と日本の対応、ワクチンについての違いなどを書いています。
日本はなぜワクチンを作れないのか。アメリカはパンデミック初期に色々な要因が重なり世界でも類を見ないレベルの死者を出しました。
それでもワクチンの手配や経済活動復活の広がりは世界的にも迅速であっという間に経済成長の波に戻り元気に国が動いています。
まさに日本との違いが浮き彫りになりました。
本書を読んでいて、これだけ優秀で熱量のある日本人て実際どれくらいいるんだろうとシンプルに思いました。
こういう人が日本人に沢山いたらかなりの広い分野で日本は成長して様々な課題が解決されるんだろうなと思います。
日本に対する誇りがあって期待がある前提で特に医療業界を中心にさまざまな先進技術の日本の立ち遅れや危機感が面白いです。
アメリカ合衆国大統領の一般教書演説に招待された日本人の日本語による実態や内情を知れるのはなかなか貴重ですし何より人生や仕事で大切なポイントというのがすごく共感できるポイントが多いので自分の頭の中の価値観の整理や微調整ができて最高でした。
やはりなんでもトライアンドエラーが一番近道で力がつくというのを再認識しました。
目次
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- 序章 一般教書演説への招待状
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- ホワイトハウスからの電話
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- 招かれた理由
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- 大統領の招待より出張優先?
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- アメリカ人と一般教書演説
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- アメリカの懐
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- 表面ではなく、生き方を
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- 終わらないリレーの走者
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- 第1章 ずれたドット
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- 生きることは、点をつなぐこと
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- 常にずれていた「点」
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- 愛する大宇陀
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- 高校受験
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- 理系は外交官になれない?
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- 挫折感
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- 初めての海外
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- 母親譲りの「熱さ」
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- 第2章 アメリカ生活
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- カリフォルニアの空
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- カルチャーショック
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- 中退、そして再びアメリカへ
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- 英語は突然に
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- テネシーからクリーブランドへ
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- CWRU
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- 博士課程からGEへ
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- 「動物博士」の夢
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- 第3章 QED誕生
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- GEと頑固者
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- 8割を切れ!
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- 上限を決めるな
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- 大企業で働くこと
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- GE辞職と起業
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- 「プロの監督者」は成立しない
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- 存在意義を問う
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- 独立を支えてくれた方たち
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- 社名
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- 「起業」の意味
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- 未来は絶対すばらしい
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- 第4章 社員の意識改革
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- 仁義と理念
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- QEDの社会的意義
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- 人として正しいこと
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- 思考パターンを伝える
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- 年頭のメール
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- メールは数行
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- 採用基準
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- 叱るのはマネジャーだけ
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- ワンフロアのオフィス
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- 常にスーツ
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- ブレないこと
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- 真価は問題発生時に問われる
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- トラブルで得るもの
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- 過去の栄光は忘れる
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- MBAは必要か
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- 第5章 二人のメンター
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- 稲盛和夫さんとの出会い
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- 大きな人
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- 人生の方程式
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- 何重もの偶然
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- 謎のおじいさん
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- なぜここに座っているのか
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- 「ヒロ・ラトナー」
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- ドーナツを見よ
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- 仁義は民族を超える
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- 第6章 私のアメリカ、私のクリーブランド
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- 取材殺到
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- レッドカーペット
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- レセプション
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- 「フヒタ」と呼ばない大統領
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- クリーブランドへの思い
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- 祝砲
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- アメリカの問題点
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- 藤田家のファミリー・ツリー
第7章 日本よ、日本人よ
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- 前向きであること
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- 道がなければ、作ればいい
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- 再考・理系は外交官になれない?
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- 日本に必要な多様性
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- 道なき道にある発見
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- 日本人にとっての英語
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- ものづくりの問題点
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- 社会に貢献できるか
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- ダブルスタンダード
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- 終章 生まれてきた証
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- 世界に冠たる企業
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- 山を登る
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- バトンを渡す
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- 「したたかな武士道」