大学を卒業して新卒で入社した会社がフォワーダーという貿易業界での仕事でした。
中学生の頃に初めて空港で飛行機に乗って海外に行った際に航空業界に物凄い強烈なインパクトと憧れがありました。いつかはこの業界で働いてみたいという思いがずっとありました。
実際にパイロットや航空整備士、空港で業務など採用試験に臨みましたがこれといったご縁に恵まれず海運業が私の社会人スタートとなります。
幸いその想いがいまの貿易関連の仕事につながることにもなり自分の思い通りの生き方になっています。
貿易業界というとすごく難しく感じたり、イメージがわかない方が結構多いのが色々な人と会っていて感じることなのですが実は色々なビジネスの中でも特に歴史は古く世界の経済には欠かせないものです。
古くは大航海時代に遠方の未開拓地から珍しいものや貴重なものを運んだり、送ったりして世界を今のような繋がりにする源流とも言えるものでまあロマンな感じが大好きです。
シンプルに物々交換したり売買したりするいわゆる「物販業」が様々な文化や歴史の違う異国と物販業を行うと「貿易業」になります。
現在は航空機での移動もありますが、実際に世界中の貿易での物流量の9割以上は海上輸送で手配されています。
簡単に貿易業界の流れを説明すると下記のようになります。
工場など出荷する施設
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トラックなど車両での運搬
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空港、港付近での輸出通関、積み込み作業
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航空機もしくは船での輸送
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空港、港付近での輸入通関、荷下ろし作業
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トラックなど車両での運搬
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目的地へ配達
以上のようになります。
大きく分けて「発送地国」「海上・上空」「到着地国」の3つでそれぞれプロの業者が業務を行います。さらにまとめると国内に強い業界、海外ネットワークに強い業界と別れます。
国際貿易では主に乙仲、フォワーダー、キャリアの三つがあります。
乙仲とは国内での在庫管理など倉庫業、通関業、トラックなど車両による集荷、配達業を行う業者で国内でのネットワークやノウハウに優れています。
キャリアとは実際に航空機を所有している航空会社や船舶を所有している船会社になります。国際的なネットワークや航路に強いです。
私がいたフォワーダーはイメージとしては旅行代理店や商社の業務に近いです。実際に航空機、船舶、倉庫などは持たず集荷、通関、航空輸送、海上輸送の手配、通関、配達を全て一括で請負います。それぞれの会社と契約をして最善の輸送形態をオファーします。ただし、実際はどの業者も倉庫、車両、船舶、航空機を持っていたり、いなかったりと形態や強み、弱みは様々です。
私は入社3年間ほどは内勤業務として輸出入の書類作成、船舶予約、海外への連絡、トラブル対応などをしてから退社までの6年間は新規の営業をしました。
物流業界というのは年末年始、GW、夏休みなどは一切関係なく動き続けるのでカレンダー通りの勤務でした。特に貿易業界は日本の休みは海外には関係ないため連休前後は業務に追われ残業時間が月間120時間を越えることもあり、仕事中に睡眠不足で気絶することもありました。
それでも新規の営業を始めた頃は充実感と大変さがたくさんありやりがいはすごくありました。初めの頃は就活生に間違えられたり、知識不足であしらわれたりと悔しい思いを沢山しましたが徐々に獲得件数も増えて気づけば部署で一番の営業成績になったこともあります。
毎日色々な国とやりとりしたり、知らない業界の商品を扱ったり、世界経済の裏というか元を体感している感覚はすごく好きでした。本当に面白いです。
ただ、業界の仕組み的に基本的にはビジネスをしているクライアントがいて初めて自分の仕事をする場所が生まれるので収益形態としては原価率、つまりいくら新規案件を獲得してもそのぶん人を増やしたり施設を増やしたりしていくだけなのでそれほどレバレッジが効かない、知識の幅が広がり続けることができないというのがありました。
毎日、寝る以外全てのエネルギーをつぎ込んでので消化感ややりきった感じが芽生えたので自分にとっての次のステージを模索するようになります。