今回は実際にフォワーダーに9年間努めた先の内情をお伝えします。
フォワーダーはいわゆる造語で法的な正式名称は「貨物利用運送事業」といいます。
フォワード(Foward)直訳すると「転送」とも訳しますが良くメールなどを転送するときに件名の最初に「FW」がつくのはこの略が使われています。
エアフレイトフォワーダーというのはフォワーダーの中でも航空貨物を扱っている業者を指しますがほとんどは航空貨物と海上貨物両方を扱っています。
航空貨物と海上貨物の物流量の割合は1割(航空貨物)9割(海上貨物)とも言われ圧倒的に海上貨物がほとんどなのですが航空貨物のメリットはなんと言っても速さです。コストは高いにも関わらず同じ仕事量に対して利益率がいいのでビジネスとしてはあらゆる業者が参入しています。DHL,FedEx,UPSなどは関連会社でフォワーダー業務もしていますが基本的には「クーリエ」と呼ばれ航空機で運ぶ貨物の中でもさらに小口の貨物を主な対象としています。
簡単に国際物流をする際にどのサービスを利用するかの目安が下記になります。
クーリエサービス(FedEx,DHL,UPS,EMS)
EMSは日本郵便が行っている国際宅配便サービスです。基本的に書類などが多いですが段ボール数個までの発送が適しています。
フォワーダー
定期的に1M3前後までの貨物に適しています。(1M3は1mx1mx1mの容積重量です) 航空貨物の場合、簡単な計算方法をつかい荷物の重さか容積の大きい方を料金表に当てはめて費用を出しますがざっくり重量は1トンが目安という感じです。これ以上大きい場合は費用は海上輸送の方が安くなります。あとは必要なリードタイムとの兼ね合いです。いくら安くても必要なときに荷物がなくては意味がないので悩みどころではあります。
世界は国家間の貿易がきっかけでとてつもない発展を遂げました。特に日本は今の豊かな生活が成り立っているのは大半は貿易業界が関わっています。この業界がなかったら成り立っていないものばかりです。日本国内の天然資源と人的資源だけで今のような生活ができないのは誰でも容易に想像できるかと思います。
そんな業界で特に大きな経費をかけずに基本的に手数料だけで利益を挙げているのがこのフォワーダー業界で全体としては
私が22才の新卒で入社して最初に配属されたのはまずは海上輸送の部門でした。取り扱っている製品は非常に多岐に渡り、自動車部品、電子製品、生鮮品、原料関連、機械関連などでした。部署で行っていた業務は主に日本からの輸出や輸入及び海外間でのやりとりのある3国間でした。
会社は大企業だったのですが配属された部署は非常に小さい部署だったのである意味ベンチャー企業みたいな感じでした。見積もり作成から実業務、海外とのやりとり、請求書の作成まで一貫して一人で行うこともあったため非常に大変でしたがその分覚えたことはすごい量でした。
海上輸出の主な流れはまずクライアント(海外と物流取引のある会社)からブッキング(出荷予約)依頼を受けて品物、行先、物量など聞いて船会社へブッキングする。船が出向したら船会社が船荷証券を発行するのでそれと同時にフォワーダーも発行します。発行されたら依頼主(シッパー(shipper))に連絡及び必要書類を送付して送り先の国にある支社もしくは提携会社へ書類を送付する。請求書を発行するです。
その後、輸入業務の部署に配属になりました。輸入業務としてはほぼその逆です。船会社から到着した到着案内が届いたら同じものを作成して荷受け人へ送付します。
利益は仕入れた運賃と販売運賃の差益と書類作成などの手数料です。
当然、貨物を多く依頼するほど運賃は下がりやすく、スペースも確保しやすくなります。
フォワーダー業はこれで完了ですが、ほとんどのフォワーダーが自社で通関業務や倉庫業、車両運搬業を行っており、場合によっては委託という形になります。
通関業務があれば通関に関わる代金をもらえます。集荷、配達など車両も手配できればその分の費用ももらえます。
私がいた会社は世界各国の都市に自社の支社があり、もしくは提携をして業務を行っていました。海外での業務は色々な体験ができて刺激があり、面白いです。